歯周病は細菌による感染症です。
主にバイオフィルムという歯周病原細菌により、歯肉や歯を支える骨が侵される病気です。
また、生活習慣病とも言われ、タバコ・ストレス・悪習癖など歯周病を悪化させる因子は様々ですが、歯周病になる直接の原因はバイオフィルムという細菌のかたまりです。
御家庭の排水口を触ってぬるっとした気持悪い感触を経験したことがありませんか?
このぬるっとしたものがバイオフィルムです。
日本語では菌膜と呼ばれ、正体は微生物の集合体です。これらは排水口だけでなく歯にも見られるのです。
P.M.T.Cとは → プロフェッショナル メカニカル トゥース クリーニング
歯垢が付着しにくい環境を作ることを目的に、
セルフケアでは行き届かない歯の汚れを専用の機器を用いて清掃する処置のことです。
歯ブラシでは届かない歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)内の、歯の根の部分までしっかり汚れを取り除きます。
また、自分では磨き辛いブリッジや矯正装置の周りなども、P.M.T.Cなら隅々までキレイになります。歯石を削り取るような硬い器具を使用しないため、痛みを感じることはほとんどなく、処置後には歯がつるつるして爽快感を得られます。
自分自身で行うセルフケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケアを併用することで歯周病予防になります。
近年、歯周病と全身疾患の密接な関係が明らかにされてきました。
歯周病の原因菌が、お口から体内に侵入することで、様々な疾患を引き起こします。
お口の中をきれいにし、歯周病を治療・予防することは、全身疾患の予防にも繋がるのです。義歯に付着する汚れの正体も、歯周病の細菌とほぼ同じです。義歯をきれいに保つことも全身の健康のためには大切です。
などがあります
糖尿病と歯周病の関係は特に密接です。
糖尿病になると身体の抵抗力が下がります。そのことで合併症が起こります。
抵抗力が下がるという事は、「細菌に感染しやすい=歯周病菌(歯垢)に侵されやすい」
ということです。また、糖尿病になると唾液の分泌量が減少し、口の中の細菌を洗い流す作用が弱くなります。そのうえ糖尿病になると白血球の機能が低下するため細菌の数が増加しますので、歯周病になりやすく、歯周病が治りづらくなってしまうのです。
糖尿病を治療することで歯周病が改善し、また、歯周病を治療することで糖尿病が改善すると言われています。
歯周病の原因となる細菌の毒素が、血流に乗って血管に作用し動脈硬化を引き起こします。
また、それにより心臓疾患も引き起こすと言われています。
歯周病菌の毒素や炎症性物質が血中に入り込み、血流を渡って胎盤に流入し早産の原因となることがあります。また、妊娠中は食事のリズムが不規則になったり、歯みがきも不十分になったりする上に、胎盤で作られるホルモンが歯周病菌を増殖しやすくするため、歯周病を悪化させやすくなります。歯周病は低体重児出産のリスクになるにもかかわらず、妊婦は歯周病にかかりやすいのです
歯周病原細菌などが唾液とともに肺に流れ込んで起こる疾病で、高齢者の方に多く発症します。通常なら、唾液と一緒に飲み込まれた細菌は胃液によって「殺菌」されており、
寝ているときも唾液を飲み込む「嚥下(えんげ)反射」が起こり、細菌の侵入を防いでいます。また、せきなどによって細菌を排除できたり、気道粘膜に生えている繊毛(せんもう)によって唾液が肺に流れ込まないようになっているのですが、高齢者の方は嚥下反射が低下しているため、細菌が肺や気管支に入り込んでしまいます。
高齢になると免疫力が低下し、抗菌作用のある唾液の量も少なくなり、歯周病になりやすくなるのです。
お口の健康、そして全身の健康のため、自分自身でもしっかりケアを行い、歯科医院で定期的にチェックしてもらって歯周病を予防することがとても大切です。
簡単に言うと、お薬を使った「お口(歯周病)の除菌治療」です。
歯周病治療と言えば歯磨き指導と歯石除去、外科手術が基本的な治療です。 しかし、この基本治療をしても、一生懸命に歯磨きしても、なかなか歯肉の炎症が取れず、 歯肉の腫れや出血・口臭に悩まされ、歯周病で歯を失う方がおられることも事実です。 歯周内科は原因である菌を特定し、薬でその菌を除去する治療です。
歯周病は細菌による感染症です。
風邪やインフルエンザもウイルスによる感染症ですが、医師の指示に従ってきちんと薬を飲めば、ほとんどの場合治ってしまいます。では、歯周病も同じように治らないのでしょうか。多くの歯科医師が知恵を出し合った結果生まれたのが、薬で歯周病を治すという治療法なのです。
この治療方法には4つのおおきなポイントがあります。
特に①は非常に大きなポイントです。
レントゲンでは、お口の中の細菌までは写りません。位相差顕微鏡で原因である細菌類をきちんと検査し有効なお薬を選択します。また、除菌後にバイ菌の巣である歯石を取り除くことが必要です。今まで、痛くて辛い治療だった歯周病治療が、早期に痛みもなく確実に治せるようになったのです。
従来の治療が「歯周病菌を減らす」ことを目的としていたのに対して、 歯周内科では「歯周病菌を無くす」ことを目的としています。
現在、歯周内科治療は保険が適用できない治療です。
治療をご希望される方は医師にご相談ください。